カメがウサギにドンブリ勝負

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映画 『ディオールと私』

Dior新任デザイナーと誇り高きお針子たちのパリ・コレクションまでの8週間

このキャッチコピーを読んだだけでも、わくわく。
映画『イヴ・サンローラン』でも、相当興奮したし。長い長い感想はコチラです。

どうやら私自身はファッションに疎いのに、ファッション業界には憧れというか、
興味があるようです。未知の世界を覗きたい、みたいな。
いや、イブ・サンローランもクリスチャン・ディオールのデザイナーだったし
私、実はクリスチャン・ディオールに興味があるのかしら???

新任デザイナーのラフ・シモンズさんも読み始めたというクリスチャン・ディオールの
自伝を読もうかしら!?

一流デザイナーになるまで

クリスチャン ディオール / 牧歌舎




ちなみに、自伝のタイトルは『CHRISTIAN DIOR ET MOI』、
映画の原題は『Dior et Moi』
これは自伝のタイトルを意識してつけたんでしょうかねぇ??


という訳で、映画の感想です。
ネタバレ満載なので、未見の方はお気を付けください。




オートクチュール未経験のラフ・シモンズ氏が、ディオールで約40年働いている
生き字引のような職人さんたちもいるアトリエと一体どんな攻防を繰り広げるのか?!

と、思いましたら。

映画で一触即発だったのは、コレクションに発表するドレスがドレスチェックの日に
間に合わない、というところだけだったような。

確かに、コレクションまで日数が少ないのに、ドレスチェックの日に1着も来ないなんて
そりゃあ、怒りますよね。「僕は寛容な方だと思うが、これは」ってシモンズ氏も
怒ってました。

しかし、それには理由があって。
ドレスが1着も出来ていなかった訳ではなく、責任者が急遽ニューヨーク出張にでており
しかも、飛行機が遅れてドレスチェックの時間に責任者の到着が間に合わなかった、と。
結局、遅刻しながらもドレスチェックは始まった訳ですが。

「コレクションが大事なのに、なんで今、責任者をニューヨークに出張させるんだ」という
シモンズ氏。
それに対し「シーズンごとに5000万分注文してくれる顧客を無下にはできない」と悩む
オートクチュール・ディレクター。

うむむ、確かにコレクションの成功が顧客からの注文を広げるチャンスではあるけれど
今いる顧客も大切な訳で。
華やかな世界でも、そこはやはり中間管理職の切なさというか。板挟みな感じが
妙に勝手な親近感を生むのでありました。

それにしても。

この世の中には自分のドレスを直すためだけに、フランスからニューヨークまで
ドレス部門の責任者が来てくれる。そうゆう人が、存在するんだなぁ。。。ううむ。

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そして、まさにザ・中間管理職な感じだったのがシモンズ氏の右腕として紹介されていた
ピーター・ミュリエー氏。

いえ、中間管理職、として紹介はされておりません。念のため。右腕と紹介されてました。

ピーター(なぜに呼び捨て)はフランス語ができるので、フランス語が上手でない
シモンズ氏に代わって通訳もしたりするわけですが。
きっと、うまいニュアンスで通訳してるんだろうなぁ、と。
真意は曲げないけれど、伝える相手の受け入れやすい言葉を使ったんじゃないかなあ、
なんて。お得意の私の妄想なんですが。

ドレス部門のフロランスさんとピーターは馬が合うようで、映画の中でお互いが
お互いを好きだと言ってました。
人間同士、もちろん相性もありますが。きっとピーターはデザインに関する才能の他にも、
人と人をうまく繋げるところがあるんじゃないか、と。

全体を引っ張っていくリーダーとしてのシモンズ氏の役割と。
その大きなビジョンに向かって、各部門の人たちとシモンズ氏の間を調整するピーターの
ような人は欠かせない人材なんでしょうねぇ。

作業も山場を迎えたシーンで、アトリエにお花のアレンジメントが届くのですが
テーラード部門のモニクさんは「ラフ(シモンズ氏)からと書いてあるけれど、これは
ピーターからね」って見破ってたシーンが可笑しかったです。
いや、実際そうだったかは映画に出てないのですが。たぶん、そうなんだろうなぁ、と。
決してラフ氏に感謝の気持ちがないとは思ってないとは思いますが、こうゆう細やかな
心遣いを出来るのはピーターだろう、と。

アトリエの人々は自分の仕事に誇りを持ちつつ、でもそれを「昔からこうやってる」とか
「ディオールのやり方はこうである!」とデザイナーに押し付ける訳ではなく、あくまで、
自分の仕事に徹する姿勢が素敵だなぁ、と。
お針子さんの1人が恐らくルブタンの靴を履きながら、ミシン踏んでるシーン。
すごいカッコいい!と思って観てました。
スニーカーでミシン踏んでても、勿論顧客には分からない訳ですが。
なんか、こう、その心意気が好きだなぁ、と。

フロランスさんの部下であるオン・ボ氏。
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とても腕が立つらしく、重要なドレスを任されることの多いオン・ボ氏。
その彼曰く「(自分が作ったものはシモンズ氏に)直されると思う。
彼と僕らではビジョンが違うから当然のこと」と言った発言をしていました。

決して自分の能力を卑下している訳ではなく、よりよいものにするにはデザイナーの
判断に任せる、そしてそれをより正確に掴み取ってデザイナーの思い描いた形に仕上げる、
という職人魂みたいなものを勝手に感じ取りました。

この映画。ナレーションをクリスチャン・ディオールが担当しているのが面白いな、と。
もちろん、ご本人ではありませんが。
シモンズ氏を見守る感じが良かったなぁ、と。

ちなみに、アトリエにはディオール氏の幽霊がでるそうで。
警備員さんも建物に鍵を閉めるときなどに姿を見たり、音が聞こえるとか。
「私たちの仕事をチェックしてるのね」とお針子さんが笑っておりました。
皆の仕事ぶりをチェックしつつ、彼がやってみたかったことを実現してくれるデザイナーの
出現を待っているのでしょうか??


それにしても、伝統を持つメゾンを継承するのはものすごいプレッシャーだろうなぁ、と。
”ディオールらしさ”を失わずに”新しいものを創造する”という重圧にシモンズ氏も
色々頭を悩ませたのではないかな、と。
そして、デザイナーの仕事は洋服をデザインすることだけでなく、コレクションをどこで
開催するか?どうゆう飾り付けにするのか?まで及ぶんだなぁ、と。

まぁ、デザイナーさんの全員が全員そうなのかは分かりませんが。
ただ、自分の創った洋服の世界観を生かせる、表現できる場所や飾りを自分で選びたい
というのは当然のことなのかもしれません。

そんなこと言ったら、自分の服を着てくれる人まで選びたい!と思っているデザイナーさんも
いるかもしれない???
あ、でもコレクションで洋服を着るモデルさんは、まさにそうなんでしょうねぇ。
「容姿は悪くないが、歩き方が良くない。コレクションまでに矯正できるか」なんて台詞も
ありましたし。
別にモデルさんを否定している訳ではなく、あくまでも今回のコレクションを完璧に
再現するために必要なこととして、だと思います。


デザイナーの求める生地が出来るまでの紆余曲折あり、
直前の変更でアトリエでは深夜作業あり、
コレクション会場の飾りつけには莫大な花代と人件費がかかるのを果たしでCEOたちが
許可してくれるのか?!など様々な要素にドキドキしつつ、いよいよ発表当日。


自分も舞台裏で見守っているかのような緊張。
あら、スイカが意外と素敵だわ!(スタッフからスイカのようだ、と言われた生地で
デザインしたドレスのことです)
1つのコレクションで、一体どれぐらいデザインするんでしょうかねぇ。

ショーも順調に進み、後半部分では安堵したのかシモンズ氏が涙を浮かべる姿が。
ピーターも泣いてる。うるるるる。頑張ったねぇ、頑張ったねぇ。うるる。
私は座って観てただけなのに、もらい泣き。

マスコミが苦手なシモンズ氏。
最初は、コレクションの最後に挨拶に出ることはしたくない。
フラッシュの放列には耐えられないから、撮影もしたくないなどと言ってましたが
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ちゃんと挨拶しにコレクションの各部屋を回ったし、写真撮影にも耐えて?ました。
自分の父母と肩を組み「僕の両親です」って言った時の表情と、お母様の表情が
良かったので、ここでも泣いたのは私です。

それにしも、サンローラン氏もデザイン以外のことは苦手な感じでしたが
まさかシモンズ氏もそうだとは。


インターネットで検索したところ公式ホームページで2015年春夏オートクチュールの
様子が5分ほどの動画でアップされておりました。
最後に、ちらーーーーっと映ったシモンズ氏。お元気そうで?なにより。

あぁ、どのドレスをオン・ボ氏が手がけたのかしら。
モニクさんは、ストレス解消にHARIBOのグミ食べてるのかなぁ、なんて。
もしかしたら、アトリエを去った人もいるかもしれない、とか。
ピーター元気なのかしら。。。

その後のアトリエの様子も気になる今日この頃です。
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by yui_usakame | 2015-03-28 15:15 | CD・DVD・映画

グエルチーノ展 よみがえるバロックの絵画

2015/5/31(日)まで上野・国立西洋美術館で開催されている
『グエルチーノ展』へ行って参りました。
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なんでもっと近づいて撮影しないのか、と。
結構近づいたつもりだったんですけど、遠いですね・・・


最初に「グエルチーノ」という名前を聞いたとき、失礼ながら(チーズみたいな名前だなぁ)
と思ってしまいました。

それは、グリュイエールチーズ!ってツッコミありがとうございます。


グエルチーノさんの本名は「ジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ」で、
17世紀のイタリアバロック絵画を代表する画家とのこと。


1607年 16歳でチェントの画家ベネデット・ジェンナーリに弟子入り。
       翌年には共同制作者(なんと早い!!)

1610年 ベネデットが歿し、工房を引き継ぐ(弱冠19歳で工房のトップかぁ)

1621年 30歳の時、パトロンだった大司教がローマ教皇グレゴリウス15世になり
その方に呼ばれて2年ほどローマに滞在。その方が2年後に亡くなられると、元の
チェントの町に戻る、と。そのあたりから、グエルチーノの画風が変わってくる、と。

詳しくは、こちらの動画をご覧ください。
公式チョイ見せガイド 山田五郎のよくわかるグエルチーノ展 第3回。



グエルチーノの腕前が良かったことも勿論ですが、まさかのちの教皇がパトロンとは。
もし、その方がもっと長く教皇をされていたらグエルチーノの作品はどんな風に変化を
していったのでしょうねぇ。。。


グエルチーノの工房は、工房で製作した作品のコピーやバージョン違いが
多く製作されたそうで。
コピーはオリジナルの注文主に許可を得たうえで作られたようだ、と。
時にはオリジナルとの識別に作品の色を変えることもあったそうな。
発送前に助手がコピーを手掛けるのが常であったが、有力なパトロンに頼まれれば
仕方なく自ら筆をとることもあった、と説明文にありました。

仕方なく。うぷぷ。

工房のコピーはきわめて質が高く、画家本人の作品として流通することもしばしば
あったとか。なんとまぁ、ファン泣かせな。
それにしても、それほど高い技量を持ったお弟子さんたちが大勢いたというのは
すごいですねぇ。

イギリス、フランスから宮廷画家として働かないかと誘われたそうですが、断ったという
グエルチーノさん。

1629年以降は、弟のパオロ・アントニオによって会計簿が作成されており
年代順に、絵のタイトルと注文主、代金が細かく記載されているそうです。
会計簿に記されている絵は約400点。うち約半数の現存が確認されている、と。

注文時に手付金を支払い、製作開始時と引き渡し時に残額を支払うのが一般的な
支払い方だったとか。

ところでグエルチーノは、一体どうやって絵の金額を決めていたのか?


それが驚くほど単純明快で。

全身像、半身像、頭像がそれぞれ画中にいくつ登場するかを数え総額を出す、と。
絵に描かれる人物が基本的に等身大だったため、こうした設定にしたのだろうとのこと。

全身像が100ドゥーカ、半身像が50ドゥーカ、頭像が25ドゥーカ。
分かりやすい!!

はてさて、天使は小さくても全身像になるのかしら???

ただ、生涯にわたってこの金額だった訳ではなく1640年代末までは上昇していた
彼の絵の値段も、若手の台頭などにより下降していったそうで。
値引きに応じることがあっても、口外しないように頼んでいたところが、可愛いというか。
380年も前の人なのに、妙に勝手な親しみを感じてしまいました。

そして、「口外しないように言ってたよ」って洩らした人がいるってことですよね。
昔も今も、「人の口に戸は立てられぬ」ですね。



土曜日の午前中に行ったのですが、今まで見たことないぐらいお客さんが少なくて
驚きました。ここ、国立西洋美術館だよね??と。

絵を見るには、とてもとても快適で、のんびりと見られて愉しかったのですが。
そう思う反面、もっと大勢の方に来てもらえたらなぁ、と勝手に俄かグエルチーノファンは
思ってみたり。


2012年5月にグエルチーノが住んでいたイタリア・チェントを襲った地震により、チェント市立
絵画館は現在も復旧の目途がたたない状態だそうです。
グエルチーノ展の収益の一部はチェント市立絵画館の復興に役立てられるとか。

詳しくは、弐代目・青い日記帳さんの書かれた記事『グエルチーノ展』をご参照ください。

国立西洋美術館のホームページにも

>出品作品の多くはチェント市立絵画館からお借りします。
>実はチェントは2012年5月に地震に襲われ、大きな被害を受けました。
>絵画館はいまもって閉館したままで、復旧のめども立っていません。
>本展は震災復興事業でもあり、収益の一部は絵画館の復興に充てられます。


普段は教会の天井画として飾られている作品を間近に見られるのも、地震の影響に
よるものというのがなんとも切なくもありますが。
遠い地まで旅してくれてありがとう。私1人の入場料じゃ、とてもお役には立てないけれど
どうか、興味を持っている人が1人でも多く訪れてくれますように。。。

あ。

肝心の絵について、全く触れないうちに長くなってしまったので。
次回は、グエルチーノの絵について感想をば。
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by yui_usakame | 2015-03-23 22:27 | 美術展

映画 『イミテーション・ゲーム』

ちょいちょい皆さんの感想を読んでいるうちに、自分の感想が段々と薄れてきて
しまう気がしたので慌てて書きます。

完全ネタバレですので、未見の方はご注意くださいませ。
それと、カンバーバッチ氏のファンなので。
ええ、そうです贔屓目なところがあると思います。
多々あると思います。





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人生で初めて、撮影期間中から楽しみにしていた映画です。

私がカンバーバッチ氏のファンになったのは、『スタートレック』公開直前ぐらいで
撮影はとっくに終了していました。
その後も、いくつか映画の撮影写真が出ていましたが正直ファンになったという自覚がなく
でもドラマ『シャーロック』に釘付けだったこともあり、さほどテンションが上がらなかった
模様。


この『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(長い)は撮影シーンや、
英米各地でのプレミア、動画でのインタビューなどなど指をくわえてみていましたので、
その間も愉しかったけれど。

愉しかったけれど日本での公開数日前に、すでに諸外国ではDVDが発売って
淋しいなぁ。
上映が遅かった分、驚異的なスピードでDVD化してもらえないかしら。

で、本題。


正直に書きますと、私の頭では場面展開が早かったり(時代がいったりきたり)、
説明が早く感じたりしてついていけない場面がいくつかありまして。。。
「あ、いま、いいこと言ったのに、なんだっけ?!」みたいな場面も。あほだ。
瞬間記憶定着率みたいなものがあるならば、それが愕然とするほど無くなったなぁ。

今週も観に行く予定なので、少しは解決することを願います。

ちなみに、3週連続でポストカードをくれるキャンペーンがあるのですが。
正直、「え、このシーンの?」って思ってるのは私だけでしょうか。
もっと素敵なとこあるよねぇ、あるよねぇ、あるよねぇ。

また、話がそれた。

タイトルにも出てくる”エニグマ”という暗号機。映画の中では特に詳しい説明がなく
そこもちょっと??となったので、映画を観た後にインターネットで検索したら

連載:暗号と暗号史:【第5回】機械式暗号機の傑作~エニグマ登場~
HH News & Reports:ハミングヘッズ


それでも、ちょっと、、、、人様に説明できるほどにならない哀しき私の頭脳。
なんとなーく、イメージは掴めましたのでDVDが発売されたらこのあたりの解説が
入らないかなぁ、とか。入らないだろうなぁ。
映画の主題は、暗号機や暗号解読機のことではないので。


ただ、暗号解読の決めてとなる大事なシーンがあるのですが、あそこの意味が、
ちょっとよく、いやかなり分からなくて。なんか、キーワードがあるとかなんとか言ってて。
2回観ても解読できる自信があまりない。
ああ!そうゆうことか!!と映画館で思ってみたい。

で、連載の【第6回】エニグマ解読~第2次世界大戦とコンピュータの誕生~
読んでいて気になったのが

>ポーランドではエニグマ解読のため、「ボンブ」と呼ばれる解読機械を使用していたが

ここであります。
映画では、カンバーバッチ氏演じるアラン・チューリング氏が様々な計算をし、設計図を作り
エニグマ解読のための機械を作るのですが。
その前身は、すでにポーランドで作られていた??

Wikipediaによると、

>イギリスの政府暗号学校 (GC&CS) のアラン・チューリングが、1939年秋には
>電動式の暗号解読機「ボンブ」の設計を行った。

と書いてあるので、電動式を作ったのはアラン氏が初めてなのですかね。
と思ってたら。パンフレットの別のところで

>ポーランドで暗号解読用に作られたボンブという機械を改良して

やーねぇ、ちゃんと隅から隅まで読まないといけませんね。

そして、さらに1つ謎なのはパンフに書かれている

>チューリングの開発した暗号解読機「ボンブ」(本作ではクリストファー)

そうなんですよね、映画では一度も「ボンブ」という表現がなく、解読機にはアラン氏が
学生時代に恋心を寄せた青年の名前「クリストファー」が付けられておりました。

「機械に名前を付けたの?」とキーラ・ナイトレイ演じるジョーンが言ってましたけど。
このあたりでも、ジョーンはアランが同性愛者だと薄々気づく1つのキッカケだったのかしら。
(これまたパンフによると、ジョーンさんはアラン氏が同性愛者だったことをハッキリとは
知らなかったようです。もちろん、裁判の後には分かったと思いますが。。。)

同性愛ということで、決定的なシーンを入れるべきだという声もあったようですが監督たちは
そうしなかった、と。
私としても、自分の存在を初めて認めてくれ、自信をくれた相手の名前を暗号機に付ける
というくだりで、十分だったのではないかと。


まぁ、それにしても『ダウントン・アビー』で運転手ブランソン役を演じているアレン・リーチ氏。
まさか、彼が二重スパイとは。

アランが同性愛者であることを、さも自分は見抜いていたように言ってましたが、あれは
ソ連側から教えられた情報だったのかもなぁ、なんて思ってみたり。
そして、この二重スパイをMI6が英国の暗号解読チームに配置していたのが史実ということ
本当に驚きでした。

ソ連に情報をリークさせるために、二重スパイを配置するなんて。
まさに疑心暗鬼。誰を信じればよいのやら。
このあたり『裏切りのサーカス』をチラっと思い出してみたり。


わざと二重スパイを泳がせていることをサラっと認めるMI6のミンギス。
演じるはマーク・ストロング氏。

もう、おぬし悪よのぅ!手段を選ばない非情な感じが凄くよく出ていた気がします。
アランの秘密を握り、命令に従わせる手口が、なんとも。
しかも、ジョーンが連行されたなんて嘘もついて。すぐに嘘とばらすものの、アランを
動揺させてから、さらに秘密を知ってることをバラすという。

ミンギスに脅されたアランは、ジョーンの身を案じて婚約を解消。
これがですね、もしも彼女と結婚していたら。そしたら、彼は裁判にかけられることは
なかったのでしょうかねぇ。

それに彼が裁判にかけられたとき、MI6なら何とか裏工作して彼を無実にすることだって
できたんじゃないかと勝手に思うんですが。
ですが、個人のこと、ましてや当時は禁じられていた同性愛ということであれば
手出しはせずただただ黙殺していたんでしょうかねぇ。
いや、むしろ自分たちが墓場まで持っていく(??)ぐらいの勢いだった暗号解読に
関する情報。
(なにしろ50年以上も英国政府がアランの功績を秘密にしてきたというし。)

その生き証人でもあり、一番詳しく知っているアランが社会的に抹殺されることで、
自分たちの秘密がより守られる、ぐらいに思っていたとしたら。。。
まぁ、考えすぎだとは思いますが。


もし自分が暗号解読に失敗していたら、
もしかしたら戦場で命を落としていたかもしれない人や、
その子供たちに裁かれるということに、彼は一体どんな気持ちだったんだろうか、と。


映画を観る前は、解読するまでが大きな山場と思ってたのですが、なんのなんの。
実は解読に成功した後、いかにドイツ側にそれを悟らせないようにするかが大変だった、と。
「神様でもないのに、人の生死を決定していいのか」というようなセリフもありましたが、
まさに救える命があるのに、いくら終戦を早めるためとはいえ見殺しにしなければいけない。
どんな気持ちで皆、解読をしていたんだろうか、と。


観る前よりも、よりタイトルの「イミテーション・ゲーム」の意味を考えさせられる作品でした。


ミンギスは身内すらも騙し、祖国のために行う「イミテーション・ゲーム」をしてる感じだし。

男性社会の中で、女性の自分が生き残るため、好かれるように考え意図して
行動するジョーン。
人と協力していくための手段をアランに教えたかったのかもしれませんが。
その姿にアランも「自分も少し譲歩して相手との距離を縮めていかないといけないのかな」
と思ったのかもしれない、とか。
自分一人の力では限界があることに気付いていたこともあり、余計にジョーンのアドバイスが
効いたのかもしれませんね。それで面白くない冗談言ってみたり、リンゴ配ってみたり。

でも自分一人の立ち振る舞い方は、よーーーく分かっている感じですよね。
気に食わない上司(デニストン中佐)を出し抜く?ために、というか、自分の考えを実行に移す
手段として首相に手紙書いてそれが通るなんてねぇ。これも史実とか。


それにしても、いつの時代にも天才の側には、その才能を深く愛し、世間との橋渡しを
買って出てくれる人物がいることで、より輝くんだなぁ、と。

イブ・サンローラン氏とピエール・ベルジェ氏のように。

『イミテーション・ゲーム』ではアランとジョーンではないかな、と。
世間一般の人から見ればアラン自身が”エニグマ”であり、理解しがたい存在に映るけれど
ジョーンというボンブ(解読者)の登場で、彼がモンスターでないことを段々と周りの人が
認めてくれるようになっていったように感じました。


ドラマ『シャーロック』のシャーロックとジョンのようでもありますね。
こちらはフィクションですが。
でもまぁ、天才と世間の通訳者ができるってこと自体、その人(通訳者)も非凡だと
私は思っておりますが。


天才過ぎるがゆえに、繊細すぎるがゆえに、周囲との摩擦が起きてしまうという役。
本当にカンバーバッチ氏は上手に演じるなぁ、と。
ただ、ドラマ『シャーロック』とダブるようにも感じたり。

もしかすると、その部分、目新しさがないという部分で賞がとれなかったんじゃないか、という
感想を読んだ時に、ふむふむ、と納得してしまったのでありました。
個人的には賞をとろうが、とるまいが映画は観た訳で。一年間に膨大な本数が公開される
映画の中からノミネートされるだけでも、本当にすごいことだなぁ、と思っています。

今後も良い作品、監督、共演者に恵まれ、必ずしやいつかトロフィーを掲げている姿を見られると
勝手に信じ愉しみはとっておこうと勝手に思う今日この頃。


ぐだぐだと、まとまりなく書いてしまいました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


最後に。

映画館ではストーリーを追うことに必死だったせいか、目を潤ませるだけだった私ですが
映画館をでて、ふと現実に戻り、なんの変哲もない風景をみて自然と涙が。

自分でも驚いて、慌ててタオルを探す始末。

自分のしたことの正しさを、その影響力を誰にも理解してもらえず
失意のうちに亡くなったであろうアラン氏はもちろんのこと、
私が知らないだけで、そうやって生きた人々が大勢いることで、その恩恵で
今ここにいる訳だなぁ、と。なんだか、感謝感激というよりも、切なさというか申し訳なさを
感じたのでありました。


さて、2回目はどんなことを感じるのか?
そして、映画の中の史実とフィクションの部分を知るために自伝を読んでみたいなぁ、とか。

カンバーバッチ氏という俳優を通じて、また新たなことを知ることができました。
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by yui_usakame | 2015-03-17 00:02 | ―『イミテーション・ゲーム』

なぜこれほどまでに映画館へ通っているのか

この3か月半。
ここ数十年の中で、一番映画館へ足を運んでいます。

自分のために、観た映画をメモしておきますと

『ベイマックス』
『6才のボクが、大人になるまで。』
『ナショナル・シアター・ライヴ 2015 ザ・オーディエンス「The Audience」』
『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』
『ヴァチカン美術館4K3D 天国への入口』
『おみおくりの作法』
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
『アニー』
『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』


一日2本を二日連続なんて、今までしたことなかったのに。
いやはや、いやはや。

美術館もの(?)で、『みんなのアムステルダム国立美術館へ』も面白そうだったのですが
昨日(2015/3/13)までで終了だったみたいで。


願望としては、観た作品の感想を全て書くつもりでいたのですがねぇ。。。
まだ『ベイマックス』のことしか書いてないという。

で、最近映画を観ていて自分の好きな作品はラストがハッピーエンド、もしくは
どちらとも取れる(観客に結末が任される)作品が好きなんだな、と。

ディズニー作品は、間違いなくハッピーエンドだろうと安心して観ていられるし

(本日から公開の『イントゥ・ザ・ウッズ』は、ハッピーエンドの”その後”が
主題のようですが、でも、それもまたハッピーエンドなんじゃないのかしら??
こちらも見てみたい作品であります。)

史実に基づいたものは、なんとなく結末を覚悟して観られるというか、心の準備が
出来てから観ることができるのですが。

いかにも自分の身の上にも起きそうな内容で、かつ、ラストが・・・だと、どうにも
立ち直るのに時間がかかるというのを最近体感しまして。

やはり年齢というのもあるのかもしれません。

思ってもいなかったような心身の変化や衰え、環境の変化。
今からそんな凹んで、これから大丈夫なのか??と思ってみたり。
まぁ、あと冬がね。寒さと光の少なさで、ちょっと心が弱りがちなこともあるのかも?


これから年を重ねたときに、あの映画もう一回観たい!と思える作品がいくつあるのかなぁ
などと、ぼんやり考える今日この頃です。
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by yui_usakame | 2015-03-14 22:22 | CD・DVD・映画

空前の前売り券ブーム(個人的に)

子どもの頃から、チケットを持っているのが苦手です。

まず、家の中でどこにしまったか忘れてしまうんじゃないか、
外に持って出ると、落としてしまうんじゃないかと気になって気になって。
映画館の窓口でチケットを購入し、入口で係りの人に渡す、そのわずかな間でも
すごく気になってしまって。


まぁ、仕舞う場所を決めればいいことだし、バッグのポケットに入れて
使うまで出さなければ大丈夫、と頭では分かっていても、どうにもこうにも
心配でならない。

そんな私がなぜか、前売り券を複数持つという謎の行動に出てしまったので
今とてつもなく落ち着かない状態です。

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映画館へ行く→予告をみる→せっかくだし、チケット購入しちゃおう!と。

前売り券にオマケがついてるから、それにつられたんじゃないのか?
た、確かにそれも多少ありますが。
近場の映画館で上映するか分からないし、先に買っておけば見逃さずにちゃんと
作品を観るだろう、と。

まぁ、『マジックインムーンライト』は全国共通券だったけど。むにゃむにゃ。

実は映画5本分に加え、美術展の前売りも2件購入してまして。
もう、本当に落ち着かなくて。自分でしたことなのに。
久しぶりに購入した手帳に、公開日が決まったものから日程を書き入れてスケジュールを
確保する、と。

本日、『イタリアは呼んでいる』が5/1に公開することが判明し、これですべての
スケジュールが出そろいました。


前売りのうち、『ヴァチカン美術館 天国への入口』は無事初日に観られたので
残りも忘れないように気を付けよう、と思う小心者であります。



前売り券を購入した作品の他にも、色々と観たい映画があって困りますなぁ。
いよいよカンバーバッチ氏の『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』も
公開間近ですし。


今年こそ、というか、これからは観たい映画をなるべく映画館で観たいな、と。
というのも、1月末に『裏切りのサーカス』を劇場で観られる機会がありまして。
それも『誰よりも狙われた男』との2本立て上映!!
もう大きなスクリーンや、大音量で観ることは出来ないと思っていたのに。

そしたらですねぇ、やはり、映画館で観られる作品は映画館でみよう!!と今さらながら
強く感じたのです。
どちらの作品も、エンドロールに流れる曲の素晴らしさときたら。
普段、家で観てるとそんなに大音量にすることもできず、リビングにあるテレビを独占できず
パソコンの画面とかで見たりすることも。

やはり、映画館とは迫力が違いますよね。当たり前なんですけどねぇ。
という当たり前のことを実感したので、なるべく映画館で観るよう怠けずに通おうと
思う今日この頃です。
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by yui_usakame | 2015-03-08 22:59 | CD・DVD・映画

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