カメがウサギにドンブリ勝負

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山種美術館 『江戸絵画への視線展』 ④

山種美術館で開催中の≪江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―展≫
ブロガー内覧会へ参加させていただいた時のことを綴る第四弾。

最後は文人画を中心に、つらつら書かせていただこうかと。


写真はブロガー内覧会での写真であり、美術館の許可を得て撮影されたものです。


そもそも、文人画とは??

展示室内の説明パネルによりますと

>18世紀には、中国の明・清時代の絵画の刺激と受けた新たなスタイルとして
>文人画が登場し、中国文化に憧れを持つ教養人を中心に流行しました。

中略

>中国では、職業画家による北宗(ほくしゅう)画に対して、エリート層の
>たしなみとしての文人画を南宗(なんしゅう)画と呼んだことから、文人画は
>「南画」(南宗画を縮めた語)とも呼ばれます。


表装を含めて綺麗だなぁ、と見入ってしまったのが、こちら。
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池大雅≪東山図≫ 山種美術館所蔵
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墨色と表装のブルーが、そしてその上下の表装の色使いが絶妙でした。

池大雅の作品はもう一つ、≪指頭山水図≫が展示されているのですが
筆を使わず手の指先や爪、掌などを使って描かれたとのこと。
残念ながらアップ写真がないので、写真をあげられないのが残念。

全体図→アップ図と順番に撮影していけば、こんなことは避けられるのですが
やはり限られた時間内に写真を撮らねば、と思うと気が急いてしまって。反省。

文人画家の多くは山水画を主に描いたそうですが、花鳥画も得意だという
山本梅逸の≪花中図≫ 山種美術館所蔵
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画面上に2匹、そして花の中にも虫が。


そして、私が一番好きなのがこちら。
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椿 椿山≪久能山真景図≫ 山種美術館所蔵

これは、徳川家康が最初に埋葬された久能山(静岡市東部)の東照宮へと
続く参道付近の景色だそうです。
椿山は実際にこの地を訪れてスケッチし、その10年後に制作されたのが
こちらの作品とか。
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細かいところまで丁寧に丁寧に書きこまれてる感じといい、
この淡い色使いが好きです。
そして、この後ろを歩く人物。
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何か物音がしたのか、気になるものが見えたのか。
ちょっと横を見つつ歩いている人物が可愛いな、と。


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日根対山≪四季山水図≫ 山種美術館所蔵

右から春夏秋冬と並んでおり、彩色と水墨で交互に描かれています。
山水画を見ると、ついついどこかに人がいるんじゃないかと。
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いらっしゃいました、いらっしゃいました。


最後にご紹介するのは中林竹渓≪松籟図≫ 山種美術館所蔵
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風景の描き方が独特だなぁ、と。
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なんだか見ている私に問いかけてきそうなぐらいリアルな描き方。


この他、色々と素敵な作品も出ておりましたので興味のある方は是非
実際に足を運ばれてくださいませ。

なお、今回の展覧会の図録は次回開催される浮世絵展との合同とのこと。

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今回の展覧会開催中は、この図録に載っていない伊藤若冲の
伏見人形図の絵葉書が一枚ついてきます!

次回の浮世絵展も楽しみです。







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by yui_usakame | 2016-07-18 18:34 | 美術展 | Comments(0)

山種美術館 『江戸絵画への視線展』 ③

山種美術館で開催中の≪江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―展≫
ブロガー内覧会へ参加させていただいた時のことを綴る第三弾。

気になった作品を、つらつら書かせていただこうかと。


写真はブロガー内覧会での写真であり、美術館の許可を得て撮影されたものです。

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酒井抱一≪秋草鶉図≫ 山種美術館所蔵

この作品、私はなかなか上手に撮影できなくて。
って、ことはさておき。

この月は、銀が変色したのではなく意図的に表面を黒くしたのではないか、と。
抱一は銀地や淡墨で月光を表現しようともしてるので、抱一ならではのこだわり
とのことでした。

また、この月の形は天文学的にはありえない形だそうで。
そのことも抱一は知っているだろうに、なぜこの形にしたのか?というのも今のところ
謎だそうです。


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鈴木其一≪四季花鳥図≫ 山種美術館所蔵
まばゆいぐらいの金。その輝きに負けぬ、鮮やかな色彩。
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こちらが右隻のアップ。
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こちらは左隻のアップ。
右隻には春と夏、左隻には秋と冬が描かれているそうです。



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伝 長沢芦雪≪唐子遊び図≫ 山種美術館所蔵

色んな髪型の子供たちがいますね。
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個人的に、一番右上の子が気になります。
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一応、遊びには加わっているものの。
どこか表情が浮かない感じ。何か心配事だろうか、それとも家に帰りたいだけなのか。
そんなことが気になってしまうのでありました。



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岩佐又兵衛≪官女観菊図≫ 山種美術館所蔵

まず大きさに驚き、そしてほぼ色彩されていないにも関わらず何というか
華やかさを感じました。
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髪の毛の描き方、なんと艶っぽいことか。
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唇に、ほんのり紅の色が見られるような。

この三人の顔は又兵衛作品の典型的な描き方で、ふっくらとした頬と長い顎は
豊頬長頤(ほうきょうちょうい)と呼ばれているとか。
現在は掛け軸になっていますが、元々は六曲一双の屛風だったそうです。
右隻、左隻共に1枚ずつ所在不明とのこと。残念。
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丁寧に描かれた着物の模様も美しい。
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草花は、ごく薄く、あっさりと描かれているように見えますが
しみじみと見入ってしまう美しさ。
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なぜか牛車の一部を拡大。


と、またしても長くなってきたので一旦ここで失礼します。
文人画についても触れたいので、次で最終回となる予定であります。







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by yui_usakame | 2016-07-18 00:02 | 美術展 | Comments(0)

山種美術館 『江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―展』

山種美術館で開催中の≪江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―展≫
ブロガー内覧会へ参加させていただきました。
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まずは《青い日記帳》管理人のTak氏より

「若冲、琳派だけが江戸絵画ではなく今回の展示には文人画と呼ばれる
中国の影響を受けた作品があり、若冲や琳派に比べると地味ではあるけれど
 ぐっと近寄って見ると色が入っていたりして、文人画もなかなか悪うございません。
 文人画を見直すきっかけになれば、と思いますので是非是非、とにかく近くで
 じっくり見てください」という内容のお話が。

次に山種美術館館長の山崎氏より

「近代・現代のコレクションが中心の当館には珍しい江戸絵画のコレクションの多くを
 展示しています。
 祖父の山崎種二は、米問屋で奉公していた時の主人が酒井抱一の赤い柿の実の
 絵を持っていたそうで、独立したら何とか酒井抱一という人物の作品を手にしたいと
 夢に見ていたそうで。
 昭和の初めに絵を買うことができる身分になった時に購入したが、のちに真っ赤な
 偽物ということが分かった、と。
 それをきっかけに、同時代に生きている画家の絵を集めれば確実に本物だ、ということで
 絵を集めて行った、と。
 ただ江戸絵画への気持ちはずっとあったようで、私は1歳の頃から祖父と住んでいた
 けれども、江戸絵画は殆ど家に飾っていなかった。たぶん、古いものなので、それだけ
 大切にしていたんだと思います。
 そういった逸話のある祖父にとっては大切なコレクションなので、皆さんにも楽しんで
 いただければと思います」


そして、この後に発表されたのが山種美術館では初のナイトミュージアム企画。
2016年7月22日(金) 17:30~19:30(受付開始 17:05~)

受付は7月19日(火)までで、先着100名とのこと。
江戸絵画に詳しい学芸員さんによる説明が聞けるそうです。
詳しくは、コチラをご覧ください。
※ 写真撮影は決められ作品のみ可のようです。


と言う訳で、これから出てくる作品の写真はブロガー内覧会での写真であり
美術館の許可を得て撮影されたもの
となります。

専門が日本絵画史の特別研究員・水戸さんの説明付で絵を見ていきます。

水戸さんは、こちらの本を執筆された水戸さんでした。

かわいい琳派

三戸 信惠 / 東京美術



おお、この本は前々から欲しいと思っていた本!


まずは、一番最初に飾ってある伊藤若冲≪伏見人形図≫
山種美術館所蔵
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伏見人形とは伏見稲荷の付近の土を使って作られる土人形で、
若冲は絵を描き始めた40代のころから伏見人形を作品にしており、
この絵は、晩年伏見に住んでいたときの作品。

可愛いらしい布袋さんがリズミカルに配置されており、ユーモラスな感じを見ただけで
あぁ、若冲らしいと感じさせる雰囲気を持っているのではないか。

水戸さんが個人的に、若冲のここが凄い!と思っている点は
江戸時代の絵師は絵筆で勝負する、絵筆でどう表現するかがポイント。
若冲はリアル、リアルと言われるが一般的に絵師は絵筆でリアルに見えるように
描いているのに対して、この若冲の作品はどうしているのか?

じっと近くで見ると気づかれたと思うけれど、表面がザラザラした質感が
ご覧いただけますでしょうか?
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(ふむふむ、なるほど。ざらっとキラっとしてます)

雲母が使われているのかキラキラっとした、メタリックな、土っぽいような表現が
見えてくるんじゃないかと思います。
要するに土人形の土ぽっさを表現している、この発想は普通江戸絵画の絵師だったら
考えられない。
このように材質を、そのまま再現しようというのはどちらかというと工芸の感覚ですね。

若冲というと有名な桝目描きも絵筆で勝負ではなく、まったく違う発想で勝負する。
そこにこそ若冲が時代を超えて凄いと思える点ではないか。
絵筆からの発想を超えたところに作品の新しさを求めている。
(現在の我々から見ると)それほど新しさを感じられないかもしれないが、恐らく当時の
人たちからするとビックリされたのではないか。


お次は琳派の始まりの絵師として知られている俵屋宗達。
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≪鹿下絵新古今集和歌巻断簡≫
俵屋宗達(絵)、本阿弥光悦(書) 山種美術館所蔵

俵屋宗達が下絵を描いて、本阿弥光悦が書を記したものとしては
「鶴下絵和歌巻」これは京都国立博物館に巻物であります。
それと「鹿下絵和歌巻」、それと「蓮下絵和歌巻」の三つがあります。

鹿下絵に関しては前半と後半に大きく分かれ、後半は巻物のままでシアトル美術館が
所蔵していて、前半は分断されて色んなところに所蔵されている。
私(水戸さん)が以前いたサントリー美術館、あるいは五島美術館、MOA美術館が
断簡をお持ちです。

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山種美術館が所蔵する、この断簡は鹿下絵の巻頭を飾っていたと思われる。
17世紀に光悦がこれを作った時も、この作品が巻頭だったと推察される。
なぜなら光悦は非常に西行に関心があったようで、この作品にも有名な
西行の和歌が記されている。

「こころなき 身にも哀はしられけり 鴫(しぎ)たつ沢の秋の夕暮」


もともとこの巻物は新古今和歌集の秋の歌を何種も散らして書いているもの
なんですが、この歌は秋の始まりではない。
秋の歌を選ぶ中で、本阿弥光悦は恐らく西行のこの歌から巻を始めたいと
思って、これを書いたのではないか。
巻頭は他の歌と違って、特別な思い入れがあったと思われます。

この作品には鹿が一頭いるけれども、上の句 鹿 下の句というように
鹿を挟むように歌が書かれている。
鹿と対話をするように和歌が書かれている。
そして和歌には、どこも鹿がでてこない。
けれども最後の「秋の夕暮」という言葉まで辿り着いた時に私たちの心の中に生まれる
秋の夕暮の景色が、この鹿にもオーバーラップすることで、まるで夕暮れ時に
佇む鹿のように見えてくるわけです。

歌とは直接関係のない世界ではあるけれども、そこにあえて秋のモチーフでもある
鹿とからめることで私たちは歌の世界と鹿のいる秋の景色を二重写しに楽しむことが
できる、そうゆう構成になっています。


なるほどなぁ。和歌が分かっていれば(駄洒落ではありません)この作品をより深く
味わうことが出来るんですねぇ。しみじみ。

ちなみに京都国立博物館のホームページに「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」についての
子供向け解説ページがありました。

和歌巻全体は、こちらのページで見られます。


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≪四季草花下絵和歌短冊帖≫
俵屋宗達(絵)、本阿弥光悦(書) 山種美術館所蔵

巻物は横長に進んでいく、まるでアニメーションのように描かれていく訳ですが
こちらは短冊と言う極めて限られたフレームの中にモチーフを配置している。
逆に窮屈なフレームを生かし、ある時は遠くから、ある時はモチーフを大胆にデフォルメ
するなどしています。
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実物は、もっとキラキラ輝いていて綺麗でした。
是非、会場でご確認いただければと思います。うう


と、少し長くなりましたので一旦ここで〆させていただきます。







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by yui_usakame | 2016-07-16 18:48 | 美術展 | Comments(0)

山種美術館 ゆかいな若冲 めでたい大観 -HAPPYな日本美術-②

山種美術館で開催中の、『ゆかいな若冲 めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―』展。
ブロガー内覧会へ参加させていただいた時の様子その②でございます。

①は、コチラ

※ 記事内の写真は、すべてブロガー内覧会で
  撮影許可を得たものです。



①では、伊藤若冲の作品を中心に、というか
伊藤若冲の作品しか出せなかったので②は若冲以外で、
とも思いましたが。

【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念というサブタイトルもついてますし、
せっかくですから残りの3点もご紹介。

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伊藤若冲 【大根図】
主役が葉っぱというのが面白くて。
写真では分かりにくいと思いますが、右上に蝶が2匹描かれています。


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伊藤若冲 【仔犬に箒図】
ぽってりとした姿が、顔の表情が見えなくてもなんとも可愛い。
動物って、くるっと丸くなっている寝姿も可愛いな、と。
箒の上に、ちょっと乗ってるのに無頓着に寝ちゃっているところも
ああ、犬ってそんなとこあるよねぇ、と一人納得。

この絵は、昨年サントリー美術館に展示されたのと同じ作品なのかしら??
今回の絵は、どこから借りてきたという記録が図録にはなかったので。
ちなみにサントリー美術館に展示されたのは京都・細見美術館の物だそうで。


で、細見美術館のホームページを初めてみてみたら
むむむ、これは!
私が好きそうな作品を多数所蔵してそうな予感。

しかも、今後の展覧会のお知らせ3に『伊藤若冲』展の文字!!
2016年6月25日(土) ~ 9月4日(日)とのこと。

詳しい内容は、まだ出ていませんでしたが勝手に期待が高まります。
って、行くつもりなのでしょうか?


伊藤若冲 【亀図】
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こちらも初公開マークがついておりました。

な、なんでこんなに可愛く描けるのかしら。
ちょっと首をすくめているのと、首を伸ばしている亀。
何か、会話をしてるように見えなくもない??
余白と絵のバランスが、なんとも絶妙な感じだな、と。


さて、若冲の作品は順不同にご紹介しましたが。
これからは、なるべく展示順に私が気になったものをご紹介。

第1章 愛でたい、めでたい、HAPPYな日本美術

長寿のシンボル 鶴と亀

河鍋暁斎 【浦島太郎に鶴と亀】
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おお、これは見覚えがあります!
昨年の三菱一号館美術館 『画鬼 暁斎』展にもありました!!
あぁ、嬉しいなぁ。また会えた。

この浦島さん、キリリとカッコよくて好きなんです。
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そして、今 図録を見て愕然。

鶴の絵の下、水の部分に鯉がいる、と。
完全に見落としておりました。なので、写真でも鶴の部分しかズームしていないという。
とほほ。
これから行かれる方は、どうぞ確認してみてくださいませ。


縁起物のマルチプレーヤー 松竹梅

横山大観 【寿】 山種美術館所蔵
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この書体は、何というのでしょう。
なんとも楽しそうな寿。背景には金泥で松竹梅が。


横山大観 【竹】 山種美術館所蔵
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絹本裏箔という技法が使われているそうで。
なんとなく、やわらかい光を放っているように見えるのは
絹目からもれる金の輝きだそうです。

若冲の筋目描きや、この絹本裏箔のような日本画の手法が
説明された簡単なガイドブック欲しいなぁ、と。
何かオススメありましたら、教えてくださいませ。


幸運をもたらす神 七福神

下村観山 【寿老】 山種美術館所蔵
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キリリっとした寿老の表情と対比して、この鹿の うっとりとした安心しきった表情。
この作品、かなり私の好みでありました。

なるほど、七福神のお一人である寿老人は、鹿を連れて、巻物を先につけた
杖を持つ、というのがお決まりなのですね。
鹿を連れているとは知りませんでした。

近くで見ると、にじみが見せる美しさに魅せられました。


聖なる山 蓬莱山と富士山

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左から 小松均  【赤富士図】  山種美術館所蔵
     横山大観 【心神】  山種美術館所蔵
     小林古径 【不尽】  山種美術館所蔵
     新井洞巌 【蓬莱山境図】 山種美術館所蔵 

当たり前ですが、同じ富士山でも本当に色々な表現方法があるなぁ、と。


くらしに息づく吉祥

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左 : 河鍋暁斎 【五月幟図】
右 : 柴田是真 【円窓鐘馗】 山種美術館所蔵
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【円窓鐘馗】 の鬼は、一喝されて這う這うの体で逃げ出してる感じが
とても可愛らしくて。なんだか、かくまってあげたくなってしまうのでした。
写真では見えにくいですが、細かく金が散らしてあるのも美しく、赤の色も深みがあり
とても鮮やかながら、不思議と落ち着いた雰囲気の、かつユーモラスな絵でした。
この絵も、個人的に大好きです。


生きものにこめられた吉祥

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竹内栖鳳 【艸影帖面・色紙十二か月のうち「鯛」(一月)】
山種美術館所蔵

竹内栖鳳の絵が大好きです。
2013年に東京国立近代美術館で竹内栖鳳展があったそうで。
なぜ、その時に自分は竹内栖鳳を知らなかったのか、と。
地団太を踏んでおります。

という訳で、まずは山種美術館が所蔵している彼の作品を全て見ることを
密かな目標としておりまして。

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山種美術館のミュージアムショップで、このような小冊子を発見。
興味のある方は、ショップで見てみてくださいませ。


新春を寿ぐ 愛されキャラクター・干支の動物

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左 : 小林古径 【猿曳】 山種美術館所蔵
右 : 川合玉堂 【猿】  山種美術館所蔵
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パッと見たとき、猿が逃げ出しているのかと勘違い。
ちゃんと細い紐でつながれているのでありました。


第2章 HAPPYになる絵画


笑い・ユーモア

歌川国芳 【両面相 だるま・げどふ、伊久・とくさかり】
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絵をさかさまにしてみると、違う図柄が見えてくるという仕掛け。
落款や版元印も双方にあり、天地がどちらになってもいいようになっているそうです。

ちなみに”伊久”とは歌舞伎の「助六由縁江戸桜」に登場する”伊久(いきゅう)”。
”とくさかり”というのは能の「木賊(とくさ)」に登場する老人だそうで。

昔の人には常識だった歌舞伎や能の知識があれば、もっと作品を見たときに
瞬時にその面白さが分かるんだろうなぁ、と。
日本画に限らず、西洋もそうなんですが......


幸福な情景

ここにある山口華揚の【生】という作品。
私、大好きでして。

山種美術館で見るのは、今回で3度目。
何度見ても美しく、可愛らしく、見とれてしまいます。
展示風景としてなら写真撮影も可能(単独での撮影不可)とのことでしたが。

両脇が撮影禁止作品では、いかんとも撮影は難しく。
泣く泣く諦めました。
でも、私の下手な写真よりも、ぜひあの色合いをご自身の目で
確認いただきたい!と勝手に強く推薦。

戦前に見た光景を、いつか描いてみたいと思い続けて
この作品が誕生したのは昭和48年のことだそうです。
それだけ長い間、山口氏の頭の片隅に住み続けた光景が
長い長い年月を経て、この作品に繋がったのかと思いながら
ついつい見とれてしまうのでありました。


長くなった内覧会の様子は、これにて終了です。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。


そうそう!

期間中展示替えがあるそうで。
2月9日から、歌川国芳の【きん魚づくし ぼんぼん】とか、同じく国芳の
【其まゝ地口猫飼好五十三疋】が展示されるとのこと。
(どの作品かは、山種美術館ホームページのコチラをご覧くださいませ。)

うーん、その2点も見たいなぁと思う今日この頃です。
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by yui_usakame | 2016-01-26 21:30 | 美術展 | Comments(0)

山種美術館 ゆかいな若冲 めでたい大観 -HAPPYな日本美術-

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2016年1月3日~3月6日まで、山種美術館で開催されている
『ゆかいな若冲 めでたい大観 -HAPPYな日本美術-』展。

1/11に内覧会があり、参加させていただきました。

※ 記事内の写真は、すべてブロガー内覧会で
  撮影許可を得たものです。



伊藤若冲 生誕300年記念ということで、どんな若冲作品に出会えるのか
わくわくしつつ、会場へ入りますと。

もう、そこに
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伊藤若冲 【河豚と蛙の相撲図】

なぜ、この2匹の取り合わせなのか?!
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蛙が”への字口”なのに、河豚は何だか余裕な表情。

これは、蛙が劣勢なんだろうか?!などと妄想しつつ見るのが楽しい。
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墨の濃淡の美しさ。

今回の展示で、伊藤若冲の作品は11点。
そのうち、山種美術館所蔵作品は1点。

それが、この伊藤若冲 【伏見人形図】 山種美術館所蔵
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布袋様の土人形=伏見人形かと思っていたのですが、
そうではなくて布袋様の他にも、キツネや相撲取り、かまどなどなど
種類があるみたいで。
伏見稲荷大社の信仰とともに発展したのが伏見人形、とのこと。

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土人形の質感を、岩絵の具を使うことで表現しているそうで。
一体、一体が微妙に表情が違っていて。
はて、最初はどの布袋様から描いていったんだろうか、とか余計なことまで
考えてしまいました。


そうそう、それで伊藤若冲作品。
残り10点の中に、初公開作品があるというではないですか!!

あるところには、あるんですねぇ......
まだ公開されていない若冲作品、どれくらいあるんでしょうかねぇ。


どれが初公開作品なのか?は、作品紹介のところにマークがありまして
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黄色い「初」マークがついております。
なので、見落とす心配はないかと思われます。

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初マークがついていた伊藤若冲 【布袋図】
おっとりとした、それでいて力持ちな感じが、とても可愛くて。
見ていると、なんだかいいことありそうな気がしてきました。
 
もう1点、伊藤若冲 【布袋図】 こちらは初マークなし。
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ものすごい福耳と、おなかのムチムチ感が忘れられません。

若冲の描く布袋図は禅宗絵画としての体裁を備えたものが多いけれど、
今回展示してある2点の布袋図は吉祥性を意識して描いた可能性が
高いと説明にありました。


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左 : 伊藤若冲 【大黒図】
右 : 伊藤若冲 【恵比寿図】 こちらに初マーク

大黒図と恵比寿図はセットで描かれることもある、と図録にありました。
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抱きかかえられた魚(鯛?)の表情も好きです。

大黒図のアップも撮影したと思っていたら、ありませんで。

内覧会に慣れておらず、時間配分が難しくて。

絵を見たいし、写真撮りたいし、解説も聞きたいし、と。
でも、人だかりがしていて撮影できないな、先にあっちを見よう。
おっと、この作品は撮影禁止だった、危ない、危ない、と。
最後に、ゆっくり和菓子も味わいたいし急がなくっちゃ、と。

はい、言い訳です。

山種美術館さんのブロガー内覧会では、最後に菓匠 菊家さんの和菓子が
食べられるのも、なんとも魅力的でして。
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展覧会に合わせ特別に作られた和菓子の見た目の美しさ、その美味しさが
鑑賞後の心地よい疲れに効くのであります。


私が密かに狙っていた”招福”は大人気だったようで、すでになく。

2番目に狙っていた”えびす鯛”をいただきました。
鯛に釣竿と糸があしらわれた、杏入りの練切り。

満足でございました。杏が大好きなので、嬉しい驚きでした。
いつも、最後に時間がなくてパクパク食べてしまうので
今度はCafe椿で、ゆっくり寛ぎつついただきたいと思います。


と、話が大幅にずれました。

こちらも初マークがついていた 伊藤若冲 【海老図】
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小触角が大触覚に くるんと巻き付いている様子が可愛らしくて。

昨年、サントリー美術館で展示された【海老図】は、同じ構図ながら
上田秋成の賛が。


そして、若冲作品の中で今回一番ピカ!と目立っていたのが
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伊藤若冲 【群鶏図】
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勇ましい表情もあれば、どことなーく おとぼけな感じのものもあって
右から、ずーっとみていって
左から、ずーっとみていって
飽きずに見ていたら、アップの写真を撮り忘れました。


屏風や掛け軸を見るとき、どの位置から見るのが一番正しいのか
未だに悩むことがありまして。
普通に立った状態だと、高い位置から見下ろす感じになってしまうし
かといって、床に正座する高さではいかんせん低すぎるだろうし、
そもそも会場でそんなことしたら邪魔だし。

中腰?中腰ですかねぇ。と、答えが出ないまま
長くなりましたので、次回へつづく
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by yui_usakame | 2016-01-23 17:20 | 美術展 | Comments(2)

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