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カメがウサギにドンブリ勝負

NTライブ 『ハムレット』②

NTライブ『ハムレット』①は、こちらです

登場する俳優さんや、『ハムレット』で私が意外な人物を好きだったことに
気付いてしまったことをだらだら書いております。

今回は、はて、どんな内容になりますか......


※ ここからはNTライブ『ハムレット』の内容に触れますので、未見の方は
  ご注意くださいませ!!





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原作を読んでから映画を観たので(といっても、読み込むほどではないのですが)
冒頭で、いきなりハムレットが出てきたのに驚きました。

NTライブ 『ハムレット』②_d0075206_16382879.jpg


『Nature Boy』という曲のレコードをかけるハムレット。
父との思い出の曲なのか、歌詞が父を思い出させるのか??




There was a boy
A very strange, enchanted boy
They say he wandered very far
Very far, over land and sea
A little shy and sad of eye
But very wise was he

And then one day,
One magic day he passed my way
While we spoke of many things
Fools and Kings
This he said to me

"The greatest thing you'll ever learn
Is just to love and be loved in return".



話が、いつものように脱線しますけれど。


ちょっと不思議なんです、この舞台の年代設定が。


最初にハムレットのポスターが出てきた時は
NTライブ 『ハムレット』②_d0075206_17115187.jpg

カンバーバッチ氏は、こうゆう古風な衣装がとても似合うから
楽しみだな~なんて勝手に1人で盛り上がっていたものの。

いざ、舞台衣装の写真がでてきたら

NTライブ 『ハムレット』②_d0075206_17144288.jpg

舞台稽古中の写真かと。
てっきり私服かと。

これが本物の衣装だと分かったときの驚きというか。


で、そうそうレコード。
CDではなくレコードの時代で、
(現在でもレコードを愛用していらっしゃる方は多いと思いますが)

ハムレットはジャージ&スニーカーの時もあって。
王と王妃の衣装も、普段は背広とワンピース姿ですし。


一体、どれぐらいの時代をイメージしているんだろうか。
完全に現代ではないのは、小道具の黒電話(正確には赤電話と緑電話)からも
うかがえますし。



以前、ご紹介した動画の18:52ぐらいに、この電話が見えます。                           どうゆう意図があったのかなぁ、と思ってみたり。

で。

ハムレットの登場シーンから驚いたし、
原作ではハムレットじゃない人が言っているセリフをハムレットが言ってるし、
出てきたハムレットの友人はリュック背負って、刺青してるし。
私が読んだ『ハムレット』は、間違えていたんだろうかと、別人の作品だったのか?!
と、ちょっと混乱。


大広間へ来るように言われ、木箱から父親の物と思われる上着を取る
ハムレット。
この時、ちょっと上着の香りをかいでいるというか、顔をうずめるような感じ。
ここが好きでした。
気持ち、分かるなぁ。

懐かしき人の香りを、いつまでも記憶に留めていたいという感じで。
その上着を着て、母と叔父(父の弟)の披露宴へ向かうハムレット。


そして、舞台は大広間へとセットチェンジされ大テーブル登場。

叔父と母の披露宴が進行する中、途中からハムレットが自分の世界に入り込み、
周囲がスローモーションで動いてく。
周囲の時間の流れと、ハムレットの時間の流れの違いが表現されているようで
興味深かったです。


あんなにも父から愛され、大切にされてきたというのに、何故こんなにも早く
再婚するのかというハムレットの怒り、悲しみ。
しかも、その相手が父とは天と地ほどの違いのある叔父と!


テーブルの向こう側にいたはずが、軽やかにテーブルの上に飛び乗り、
観客席の方へ降りてくるハムレット。
テーブルの上には燃えるキャンドルや、お皿などが置いてあるというのに
よくまぁ倒したり、踏んだりしないものだと感心(感心すべきは、そこじゃない)


それにしても、夫を亡くした王妃を数か月で口説いた叔父の凄腕。
一体、何と言ったんだろうか。(そこは筋とは関係ない)

披露宴のシーンは、前述の動画の7:42あたりで少し紹介されています。


披露宴のシーンが終わり、大テーブルが片付けられつつ
同時進行でオフィーリアと兄の会話が始まります。

テーブルが舞台裏へ引っ込むと、1つ杯のようなものが床に落ちてまして。
拾い忘れたのかと、思ったのですが。
それをオフィーリアが自分のカメラで撮影するシーンが。

なるほど、オフィーリアは写真を撮るのが好きという設定なのか、と。

ところで、ここの場面はACT I SCENE III A room in Polonius' house.
つまり、大広間ではなくオフィーリアたちの住んでる家ってことなのですね。
他のハムレットの舞台を観たことがないので、大広間からオフィーリアたちの家の
場面転換をどう表現しているのか分からないのですが

今回のハムレットは面白い場面のつなぎ方をしているなぁ、と思いました。


で、旅立つ前の兄が妹を諭すシーン。
ハムレットがお前に思いを寄せているようだが信じてはいけない、と。
たとえ本心であろうと、彼の立場ではお前を娶ることは難しいだろう、と。

で妹は兄に「歓楽の桜草の道」を歩まないように、と言い返す場面が。
桜草には、そんな花言葉があるんだろうか??と思いまして。

原文は
Himself the primrose path of dalliance treads,
And recks not his own rede.

あ、原文はコチラを参照しております。


で、困ったときはWikipedia。
サクラソウの項目に、花言葉の欄がありまして

>イギリスでは弔花あるいは棺を飾る花であり、春先に咲くことや、
>薄幸やはかなさとの連想などから花言葉も「青春」あるいは「若者」。
>また若さにまかせた享楽的生活を比喩的に「サクラソウの道(primrose path)」という。

あっけなく、解決。

ところで桜草って、primroseとprimulaと両方あるけれど、この使い分けは一体??
いや、もう進まないから、これはいつか。


すると、兄妹の父親ポローニアス登場。
旅立つ息子へと、注意事項を告げるのです。
喧嘩に巻き込まれないように、でも巻き込まれたらトコトンやれ、みたいな。

このシーンで、ポローニアスは胸元から小さなノートを出して息子への言葉を
読みあげていたような??


夜になり、亡霊の存在を確かめようとハムレットが登場。
この時、一人でとても寒そうにしていたハムレット。
なんだろう、他の人が「そうですね」とか応えた記憶がないからかな。
原作では

HAMLET The air bites shrewdly; it is very cold.
HORATIO It is a nipping and an eager air.

ちゃんと友人ホレイショーが答えているので。
うん、私の記憶が欠落しているのかと。

自分の父親の霊かもしれないものと対面する前の、ハムレットの
寒気のようにも勝手に感じてみたり。


そして、亡霊登場。

ちょ、ちょっと怖かったです。
まぁ、亡霊なので。普通の格好で現れてもおかしいけれど。
NTライブ 『ハムレット』②_d0075206_12544179.jpg

もう1回亡霊として登場した後は、墓掘り人として登場。


ハムレットが「神のごとき父も」と言っていたけれど。
懺悔する間もなく死んでしまうと、いかに生前立派でも、あちらで恐ろしい目に
あうんでありましょうか??しかも、殺害されたのに?!
当時の宗教観について、100分で名著のテキストに触れられていたので
読み返さないと・・・                                                                        

父の亡霊に復讐を頼まれ
恋の思いよりも早い翼をつけ復讐します、みたいなセリフを言うハムレット。
今、自分の人生で一番大切なものを復讐に定めたのか、と。

で、父(の亡霊)は自分の弟に復讐せよ、と息子にいうものの
お前の心は汚すな
王妃(ハムレットの母)には復讐ではなく、本人の良心の呵責に任せろ的なことを
いうのであります。

息子に、自分の弟の殺害を依頼しつつ、心を汚すな。

うむー?????
弟は殺されても当然な存在だが、王妃はそこまでするほどの罪ではない、
ということ???

そして、いつの間にか舞台の床には穴があいており、
地下へと続く階段をおりて姿を消す亡霊。

うむうむ、なるほど。
ここで普通に姿を消しては亡霊っぽくない。
ここの演出、好きだなぁ。

                
そして、父に言われたことを書きとめるハムレット。
小さなノートを取り出し、何かを書きとめます。

この書きとめる、という行為について面白い本がありましたので
また後日。


いや、それにしても。
ハムレットについて、あと何回続くんだろう。

                                             
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     



by yui_usakame | 2016-02-14 13:17

のんびり、のびのび、書きたいときは沢山書く。書かないときは、何か月も書かない。そんな、ぐーたらブログです。
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