ダニエル中心かもしれない⑭
長々、長々続けて参りましたベネンジさん。
いよいよ、今回こそ最終回でございます。
明らかに息切れしてますが。
ここまできたら、とにかく最後まで続けねば、と。
DVDおよびBlu-ray発売前に、なんとか終わらせたい、と。
そうなんです!ベネンジさんが、ついに円盤に!!ううう。
まぁ、発売は来年2015年2月中旬なんですけどね。はい。
という訳で、映画『フィフス・エステート』完全ネタバレ最終回でございます。
*********************************************************
ダニエルは、自宅で誰かと電話中。
「身元が割れやすい文章だ。絶対ウェブサイトに載せるな」とアドバイスがあった模様。
ダニエルは「オッケー、どうもありがとう」と答えると、
「身元情報の大半は驚異レポートにあるらしい。1万4千件あるが、それさえ押さえれば
残りにはほとんどない」と画面に向かい話しかけるダニエル。
画面にはマーカスとビルギッタの姿が。
何とか原文のままでの公開を阻止するため、ベネンジに内緒で作業を進めようと
していると
「リーダーに信頼を」だの「ダニエルがしゃしゃりでるのは許せない」とベネンジが
チャットで吠えおります。
とにかく無視して作業を進めようとすると、今度はアンケがパソコンの画面を
見せにやってきます。
ツイッター上には、
「ダニエルはFBI、アンケはCIA」やら「ダニエルは悪評を広めてる」、「ダニエルは病気だ」
といった書き込みもされている様子・・・ショックを受けているアンケ。
そして、映画冒頭のシーンへ。
「シュピーゲルが、あと少し待てと言ってる。タイムズは出すぞ」と新聞記者同士が
電話でやりとりをしています。
どうやら、アフガン戦争日誌公開のタイミングについて話している様子。
同じころ、何回もウェブの更新ボタンを押しパソコンの画面を見つめるダニエル。
確かに、ウィキリークスのロゴの上半分しか刺青がないように見えますね。
どうやら彼は半分しか刺青を入れなかったようなんです。
入れる時間がなかったのか、どうだったのかは不明ですが。。。
英・ガーディアン紙のトップページを何度も更新し、ついにアフガン戦争日誌が
公開されたことを知るダニエル。
報道によると、ウィキリークスは25万件ほどの公電も近いうちに公開する、と。
後日。
「取引の一部は成立。25万件の外交公電が、ここにある。すごいな」と
興奮気味に部屋に入ってきたイアン。
「ニックの言うとおり、超ド級。地球上全ての政府を覗ける。
ちょっと見たけど、特ダネ揃い。カダフィがついた嘘、プーチンがグルジア独立を
支援したこと・・・まだ見てるのか?終わったニュースだろ」と振り返るイアン。
そこにはテレビでニュースを見ているニックの姿が。
「編集する気もないのに、するなんて言って真実の担い手を気取った男。
まだ終わっちゃいない」
「救世主かと思ったのにな」
「まあね、そんなものさ。欠点のない人間はいない」とニックが言えば
「嘘つきで一部の情報源と同じ。熱しやすい凡人か」とにべもないイアン。
「今やキーボードで17文字打てば、世界のだれもがそれを読める。
しかも我々はジュリアンにお墨付きを与えた。情報源と同列じゃない。
巨大なメディア帝国に君臨する帝王なんだ」
いや、その、そもそもベネンジにお熱だったのはニックだよね?!
イアンは、懐疑的というか、喧嘩気味だったよね??みたいな気がしたのは
私だけでしょうか。
ベネンジが、記者たちの前で会見をしています。
「このデータが誰かを傷つけないよう、我々は必死の努力を続けました。
権力を乱用する組織というものはですねぇ・・・」
その会見の様子を、腕組みし厳しい眼差しで見つめるイアンと編集長。
よくもまぁ、そんな嘘を言えるな、という苦々しい表情のように見えてしまいます。
その頃、ダニエルは?というと・・・
ダニエルの家に、マーカスがやってくるのです。
「連絡着いた?」とマーカスが聞けば、浮かぬ顔で「まだ」と答えるダニエル。
「2人で同時にサーバに繋げば会見している間に終わる。」
テレビでは、ベネンジが「悪影響を最小限に抑える作業に7か月間かけた」と、
やってもいない作業をやったかのように喋っています。
その姿を見て、顔を見合わせるダニエルとマーカス。
「ダニエル、ジュリアンが今さらやめる訳がない。アイツを信用できないなら
暴走を止めなきゃ。本気でやるなら、今しかないんだ。」
意を決して、サーバに繋ぐダニエル。
テレビの中で、喋り続けるベネンジ。
「世界を変えるための発想ができる人間は大勢いるが献身は違う。
真の献身は難しい」
「優れたジャーナリズムは権力を暴くため・・・」
「革命。それは過去と未来の葛藤です。 そして未来は、、、始まったばかりです。」
カッコつけたことをいうベネンジ。
そんな会見様子を見ながら、ダニエルの目に浮かぶ涙。
昔は自分も彼の思想に共鳴し、自分も一緒に理想を実現したいと仕事も辞め
一緒に頑張ってきたけれど・・・など様々な想いが込み上げてきてるように見えました。
会見後、報道陣に囲まれるベネンジ。
「Eメールで連絡してくれる?広報担当に返事をさせる」
支援者から拍手で迎えられ、ご満悦のベネンジさん。
「素晴らしかった、天才ですよ」と絶賛する男性。
「見ました?」雑誌の表紙になってるベネンジさんを見せる女性。
そこへ、ジギーが呼びかけます
「ジュリアン!ジュリアン!!」
せっかくチヤホヤされてるのに、なんだよぉおお。
「どうしたんだ?」とジギーに近づくベネンジ。
「投稿プラットフォームが変です」
パソコンをのぞくベネンジ。
「機能してない・・・。落ちてる。投稿出来なくなってる、誰にも」
この時、後ろを振り向くベネンジ。
もしかしたら、ダニエルに助けを求めようとしたのでしょうか?
もう彼は居ないことを思い出し、かつ、投稿できなくしたのはダニエルの仕業だと
察したのかな、などと私は思ったのですが。
どうなんでしょうか。。。
そこへ、ダニエルのナレーション。
「あの髪は染めてる。見たんだ、会議に出席した後、部屋に戻ったら。
ジュリアンがいた宗教集団では子供の髪を白く染める。
誰にだって秘密はある。傷も。
人間性が作られた瞬間だ。やがて癒える傷もあれば、残る傷もある。
あのころは、何でもできると思ってた。世界さえ変えられる、って。
ジュリアンは変えた。」
ここの場面が切ないなぁ、と。
良好な関係だったときの、無邪気に笑う2人の姿がチラっと映り。
今は誰も座っていない、その席を見つめるダニエル。
どうやら昔を思い出しつつ、語りつつ、ニックと飲んでいたようです。
「結局は自分本位になったがな」とニック。
「最初からだよ。自分の秘密にとらわれた人間でなきゃ他人の秘密を
暴いたりはしない」
な、なるほど。
ニックが語ります。
「イギリスでは議会で行われる論争を新聞が報道できない時代があった。
ところが何人かの勇敢な男たちがビラを作り始めて論戦の内容を漏らしたんだ。
確か男たちは絞首刑にされた。だけどビラを見た民衆は情報開示を求めた。
第四の権力・ジャーナリズムの誕生だ。
少数の勇者たちが。情熱とビジョンの賜物だ。」
「殺された?」「その通りだ」
「今は我々が同じ立場にいる。新しい情報革命は前回の革命より遥かに
大きくて力が強い、第五の権力だ。」
おお!これが映画のタイトルの意味なのですね!と遅まきながら理解する私。
「今のところ古い権力を壊そうと猛進撃している。
でも壊れた古いモデルに代わる新しいモデルが出来ていない。
だからこそ勇敢な人間が、もっと必要だ。
君とジュリアンは混乱した世界が進むべき道を示した。
真実を指し示した。そうとも、権力を乱用する奴らは用心するがいい。
今や我々は情報を要求する力を手にした。秘密主義の暴君どもは用心しろ」
ダニエルが答えます「どこから始めよう?」
「そうだなぁ。いい物語は、始まりが肝心だ。」とニック。
2010年。
ガーディアンなど欧米の5つのメディアがアメリカの外交公電の記事を掲載。
編集済みの公電、数百件も公開。
2011年、ウィキリークスは協力した新聞社の反対を押し切り
25万1287件の全公電を編集せずに、そのまま公開。
「だいたい、証拠がないでしょう。ウィキリークスのウェブサイトで未編集の文章
全て公開したことが原因で誰かに危害が及んだなんて」
「ただの1件も証拠がないんだ。
僕たちは強大で権力を持つ組織と闘ってる。
彼らに群がるロビー団体は、なりふりかまわず僕たちを攻撃するだろうねぇ」
2010年の8月 スウェデーン検察庁はジュリアンの逮捕状を取った。
容疑は婦女暴行。
ジュリアンは被害者とは面識もないと主張。
「信じられないねぇ。主要メディアの報道が偏っているのは知っていたけれど
これは馬鹿げている。一連の主張には根拠が全くないでしょう?
それにこの一件には不可解な点が多い」
ジュリアンは、のちに女性との関係を認めたが暴行は否定。
現在はロンドンにあるエクアドル大使館に保護されている。
「組織としては、それは勿論過ちを犯したこともある。
恐らく何人かの人は、いや、ある人物はたぶん、雇うべきではなかっただろうねぇ
たぶんこれが、最大の過ちと言えると思う」
最後の、本当は残念そうな、後悔しているような、なんともいえない表情が
個人的には好きであります。
2011年、ダニエル・ベルクはウィキリークスに関する本を出版すると
ジュリアンは訴訟を準備。
「ウィキリークスの映画?ん?どれのこと?
あぁ、それか。あぁ、ま、その映画は嘘と偏見に満ちた最悪の本2冊が原作だ。
趣味の悪いプロパガンダだねぇ。
だってウィキリークスの映画じゃなくて、アンチウィキリークスの映画だろう?」
もしも真実を知りたくても、誰もそれは教えてくれない。
真実は人によって違う。だから真実は自分で探すしかない。
そう、恐いのは、さらに先を見ようとする人々の欲望だ。
それはなにも今回のことに限った話じゃない。
調べ続ける限り敵を追い詰めることはできる。
奴らが恐れているのは、君だ。
すべては君次第だよ。多少は僕もだけれどね」
*********************ここで映画は終わります。**********************
カンバーバッチ氏本人も有名になり、あちこちでカメラに狙われ、今まで通りには
いかない日常などで色々と思い、考えることもあるのでは、と勝手ながらに思います。
そのことが、この作品の出演に関係あるかは分かりませんが、報道に対する受け手の
姿勢を問う内容だったようにも思えました。
ウィキリークスに関することは断片的にしか知らず、今回この映画でその行動の一部分と、
ダニエル側から見た内情を垣間見ることができました。
もちろん、映画の演出もあるでしょうし、完全なフィクションではないと思いますが。
むしろ、ここで満足してしまうことに対しベネンジさんから叱られてしまうかも??
知りたいと思うこと、正しいと知りたいと思うことの大切さ、とでもいいましょうか。
報道の自由、そしてそれにより引き起こる人権、人命の危うさ。
明かすべき真実。そして、それぞれの国が抱える問題として隠したい真実。
真実は、誰の立場から見たときに真実と言えるのか?
それぞれの立場が違えば、真実の見え方も違ってくる訳で。
果たして、ウィキリークスのやったことは後世に評価されるのか?
後世を待たずして結果がでるのか?
問いかけの多い作品でありました。
この映画の監督さん、私が大好きな『ドリームガールズ』という作品の監督さんで。
『ドリームガールズ』観たときも、色々と悩んでることがあって。
映画をみて、自分がやろうとしていることを後押しされているようで嬉しかったなぁ、と。
『フィフス・エステート』を観て、後押しされているように感じることは残念ながら
ないのですが、でもブログで14回にもわたって書いたってことは、なんでしょうね。
我ながら、なぜここまで続けたのか不明ではありますが。
なんとか、無事に完了することができて良かったな、と。自己満足。
万が一、ここまで読んでくださった方がいたら本当にありがとうございます。
いよいよ、今回こそ最終回でございます。
明らかに息切れしてますが。
ここまできたら、とにかく最後まで続けねば、と。
DVDおよびBlu-ray発売前に、なんとか終わらせたい、と。
そうなんです!ベネンジさんが、ついに円盤に!!ううう。
まぁ、発売は来年2015年2月中旬なんですけどね。はい。
という訳で、映画『フィフス・エステート』完全ネタバレ最終回でございます。
*********************************************************
ダニエルは、自宅で誰かと電話中。
「身元が割れやすい文章だ。絶対ウェブサイトに載せるな」とアドバイスがあった模様。
ダニエルは「オッケー、どうもありがとう」と答えると、
「身元情報の大半は驚異レポートにあるらしい。1万4千件あるが、それさえ押さえれば
残りにはほとんどない」と画面に向かい話しかけるダニエル。
画面にはマーカスとビルギッタの姿が。
何とか原文のままでの公開を阻止するため、ベネンジに内緒で作業を進めようと
していると
「リーダーに信頼を」だの「ダニエルがしゃしゃりでるのは許せない」とベネンジが
チャットで吠えおります。
とにかく無視して作業を進めようとすると、今度はアンケがパソコンの画面を
見せにやってきます。
ツイッター上には、
「ダニエルはFBI、アンケはCIA」やら「ダニエルは悪評を広めてる」、「ダニエルは病気だ」
といった書き込みもされている様子・・・ショックを受けているアンケ。
そして、映画冒頭のシーンへ。
「シュピーゲルが、あと少し待てと言ってる。タイムズは出すぞ」と新聞記者同士が
電話でやりとりをしています。
どうやら、アフガン戦争日誌公開のタイミングについて話している様子。
同じころ、何回もウェブの更新ボタンを押しパソコンの画面を見つめるダニエル。
確かに、ウィキリークスのロゴの上半分しか刺青がないように見えますね。
どうやら彼は半分しか刺青を入れなかったようなんです。
入れる時間がなかったのか、どうだったのかは不明ですが。。。
英・ガーディアン紙のトップページを何度も更新し、ついにアフガン戦争日誌が
公開されたことを知るダニエル。
報道によると、ウィキリークスは25万件ほどの公電も近いうちに公開する、と。
後日。
「取引の一部は成立。25万件の外交公電が、ここにある。すごいな」と
興奮気味に部屋に入ってきたイアン。
「ニックの言うとおり、超ド級。地球上全ての政府を覗ける。
ちょっと見たけど、特ダネ揃い。カダフィがついた嘘、プーチンがグルジア独立を
支援したこと・・・まだ見てるのか?終わったニュースだろ」と振り返るイアン。
そこにはテレビでニュースを見ているニックの姿が。
「編集する気もないのに、するなんて言って真実の担い手を気取った男。
まだ終わっちゃいない」
「救世主かと思ったのにな」
「まあね、そんなものさ。欠点のない人間はいない」とニックが言えば
「嘘つきで一部の情報源と同じ。熱しやすい凡人か」とにべもないイアン。
「今やキーボードで17文字打てば、世界のだれもがそれを読める。
しかも我々はジュリアンにお墨付きを与えた。情報源と同列じゃない。
巨大なメディア帝国に君臨する帝王なんだ」
いや、その、そもそもベネンジにお熱だったのはニックだよね?!
イアンは、懐疑的というか、喧嘩気味だったよね??みたいな気がしたのは
私だけでしょうか。
ベネンジが、記者たちの前で会見をしています。
「このデータが誰かを傷つけないよう、我々は必死の努力を続けました。
権力を乱用する組織というものはですねぇ・・・」
その会見の様子を、腕組みし厳しい眼差しで見つめるイアンと編集長。
よくもまぁ、そんな嘘を言えるな、という苦々しい表情のように見えてしまいます。
その頃、ダニエルは?というと・・・
ダニエルの家に、マーカスがやってくるのです。
「連絡着いた?」とマーカスが聞けば、浮かぬ顔で「まだ」と答えるダニエル。
「2人で同時にサーバに繋げば会見している間に終わる。」
テレビでは、ベネンジが「悪影響を最小限に抑える作業に7か月間かけた」と、
やってもいない作業をやったかのように喋っています。
その姿を見て、顔を見合わせるダニエルとマーカス。
「ダニエル、ジュリアンが今さらやめる訳がない。アイツを信用できないなら
暴走を止めなきゃ。本気でやるなら、今しかないんだ。」
意を決して、サーバに繋ぐダニエル。
テレビの中で、喋り続けるベネンジ。
「世界を変えるための発想ができる人間は大勢いるが献身は違う。
真の献身は難しい」
「優れたジャーナリズムは権力を暴くため・・・」
「革命。それは過去と未来の葛藤です。 そして未来は、、、始まったばかりです。」
カッコつけたことをいうベネンジ。
そんな会見様子を見ながら、ダニエルの目に浮かぶ涙。
昔は自分も彼の思想に共鳴し、自分も一緒に理想を実現したいと仕事も辞め
一緒に頑張ってきたけれど・・・など様々な想いが込み上げてきてるように見えました。
会見後、報道陣に囲まれるベネンジ。
「Eメールで連絡してくれる?広報担当に返事をさせる」
支援者から拍手で迎えられ、ご満悦のベネンジさん。
「素晴らしかった、天才ですよ」と絶賛する男性。
「見ました?」雑誌の表紙になってるベネンジさんを見せる女性。
そこへ、ジギーが呼びかけます
「ジュリアン!ジュリアン!!」
せっかくチヤホヤされてるのに、なんだよぉおお。
「どうしたんだ?」とジギーに近づくベネンジ。
「投稿プラットフォームが変です」
パソコンをのぞくベネンジ。
「機能してない・・・。落ちてる。投稿出来なくなってる、誰にも」
この時、後ろを振り向くベネンジ。
もしかしたら、ダニエルに助けを求めようとしたのでしょうか?
もう彼は居ないことを思い出し、かつ、投稿できなくしたのはダニエルの仕業だと
察したのかな、などと私は思ったのですが。
どうなんでしょうか。。。
そこへ、ダニエルのナレーション。
「あの髪は染めてる。見たんだ、会議に出席した後、部屋に戻ったら。
ジュリアンがいた宗教集団では子供の髪を白く染める。
誰にだって秘密はある。傷も。
人間性が作られた瞬間だ。やがて癒える傷もあれば、残る傷もある。
あのころは、何でもできると思ってた。世界さえ変えられる、って。
ジュリアンは変えた。」
ここの場面が切ないなぁ、と。
良好な関係だったときの、無邪気に笑う2人の姿がチラっと映り。
今は誰も座っていない、その席を見つめるダニエル。
どうやら昔を思い出しつつ、語りつつ、ニックと飲んでいたようです。
「結局は自分本位になったがな」とニック。
「最初からだよ。自分の秘密にとらわれた人間でなきゃ他人の秘密を
暴いたりはしない」
な、なるほど。
ニックが語ります。
「イギリスでは議会で行われる論争を新聞が報道できない時代があった。
ところが何人かの勇敢な男たちがビラを作り始めて論戦の内容を漏らしたんだ。
確か男たちは絞首刑にされた。だけどビラを見た民衆は情報開示を求めた。
第四の権力・ジャーナリズムの誕生だ。
少数の勇者たちが。情熱とビジョンの賜物だ。」
「殺された?」「その通りだ」
「今は我々が同じ立場にいる。新しい情報革命は前回の革命より遥かに
大きくて力が強い、第五の権力だ。」
おお!これが映画のタイトルの意味なのですね!と遅まきながら理解する私。
「今のところ古い権力を壊そうと猛進撃している。
でも壊れた古いモデルに代わる新しいモデルが出来ていない。
だからこそ勇敢な人間が、もっと必要だ。
君とジュリアンは混乱した世界が進むべき道を示した。
真実を指し示した。そうとも、権力を乱用する奴らは用心するがいい。
今や我々は情報を要求する力を手にした。秘密主義の暴君どもは用心しろ」
ダニエルが答えます「どこから始めよう?」
「そうだなぁ。いい物語は、始まりが肝心だ。」とニック。
2010年。
ガーディアンなど欧米の5つのメディアがアメリカの外交公電の記事を掲載。
編集済みの公電、数百件も公開。
2011年、ウィキリークスは協力した新聞社の反対を押し切り
25万1287件の全公電を編集せずに、そのまま公開。
「だいたい、証拠がないでしょう。ウィキリークスのウェブサイトで未編集の文章
全て公開したことが原因で誰かに危害が及んだなんて」
「ただの1件も証拠がないんだ。
僕たちは強大で権力を持つ組織と闘ってる。
彼らに群がるロビー団体は、なりふりかまわず僕たちを攻撃するだろうねぇ」
2010年の8月 スウェデーン検察庁はジュリアンの逮捕状を取った。
容疑は婦女暴行。
ジュリアンは被害者とは面識もないと主張。
「信じられないねぇ。主要メディアの報道が偏っているのは知っていたけれど
これは馬鹿げている。一連の主張には根拠が全くないでしょう?
それにこの一件には不可解な点が多い」
ジュリアンは、のちに女性との関係を認めたが暴行は否定。
現在はロンドンにあるエクアドル大使館に保護されている。
「組織としては、それは勿論過ちを犯したこともある。
恐らく何人かの人は、いや、ある人物はたぶん、雇うべきではなかっただろうねぇ
たぶんこれが、最大の過ちと言えると思う」
最後の、本当は残念そうな、後悔しているような、なんともいえない表情が
個人的には好きであります。
2011年、ダニエル・ベルクはウィキリークスに関する本を出版すると
ジュリアンは訴訟を準備。
「ウィキリークスの映画?ん?どれのこと?
あぁ、それか。あぁ、ま、その映画は嘘と偏見に満ちた最悪の本2冊が原作だ。
趣味の悪いプロパガンダだねぇ。
だってウィキリークスの映画じゃなくて、アンチウィキリークスの映画だろう?」
もしも真実を知りたくても、誰もそれは教えてくれない。
真実は人によって違う。だから真実は自分で探すしかない。
そう、恐いのは、さらに先を見ようとする人々の欲望だ。
それはなにも今回のことに限った話じゃない。
調べ続ける限り敵を追い詰めることはできる。
奴らが恐れているのは、君だ。
すべては君次第だよ。多少は僕もだけれどね」
*********************ここで映画は終わります。**********************
カンバーバッチ氏本人も有名になり、あちこちでカメラに狙われ、今まで通りには
いかない日常などで色々と思い、考えることもあるのでは、と勝手ながらに思います。
そのことが、この作品の出演に関係あるかは分かりませんが、報道に対する受け手の
姿勢を問う内容だったようにも思えました。
ウィキリークスに関することは断片的にしか知らず、今回この映画でその行動の一部分と、
ダニエル側から見た内情を垣間見ることができました。
もちろん、映画の演出もあるでしょうし、完全なフィクションではないと思いますが。
むしろ、ここで満足してしまうことに対しベネンジさんから叱られてしまうかも??
知りたいと思うこと、正しいと知りたいと思うことの大切さ、とでもいいましょうか。
報道の自由、そしてそれにより引き起こる人権、人命の危うさ。
明かすべき真実。そして、それぞれの国が抱える問題として隠したい真実。
真実は、誰の立場から見たときに真実と言えるのか?
それぞれの立場が違えば、真実の見え方も違ってくる訳で。
果たして、ウィキリークスのやったことは後世に評価されるのか?
後世を待たずして結果がでるのか?
問いかけの多い作品でありました。
この映画の監督さん、私が大好きな『ドリームガールズ』という作品の監督さんで。
『ドリームガールズ』観たときも、色々と悩んでることがあって。
映画をみて、自分がやろうとしていることを後押しされているようで嬉しかったなぁ、と。
『フィフス・エステート』を観て、後押しされているように感じることは残念ながら
ないのですが、でもブログで14回にもわたって書いたってことは、なんでしょうね。
我ながら、なぜここまで続けたのか不明ではありますが。
なんとか、無事に完了することができて良かったな、と。自己満足。
万が一、ここまで読んでくださった方がいたら本当にありがとうございます。
by yui_usakame
| 2014-12-27 22:34
| ―『フィフス・エステート』
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