カメがウサギにドンブリ勝負

映画 『めぐり逢わせのお弁当』

混んでたら観られないかも、とヤキモキしつつシネスイッチ銀座へ行きましたら、
もう混雑期は脱したようで、ゆったり鑑賞できました。




最近、どの映画を観ても人生に重なることが多くなってきて
(さすがに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で重なることは無かったけれど)
『めぐり逢わせのお弁当』でも、しみじみとなる場面が多かったです。。。

派手さはないし、展開に一部スローな部分もあるように感じたけれど、私としては
素敵な映画で観て良かったな、と。


以下、ネタバレがありますので映画をこれからご覧になる方はお気を付けくださいませ。







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インド・ムンバイでは1日20万個のお弁当がダッバーワーラー(弁当配達人)と呼ばれる
約5千人の運び手によって家庭から職場へと配達されており、ハーバード大学の分析によると
誤配送の確立は600万個に1つという。
ちなみに、ダッバーワーラーの画像はWikipediaからお借りしました。

主人公の女性が使っている円形4段ステンレス製のお弁当箱を「インドのお弁当箱」で
検索してみたところ日本でも入手できるようで。円錐型とかもあるなぁ。
お弁当には住所が書いてある訳ではないので、どうやって識別してるのかと思ったら

>個々の弁当箱に小さく塗られた単純な色分けと数字によって、届け先と受取人の
>識別がなされている

とWikipediaが教えてくれました。今日もありがとう。


主人公・イラは冷え切った夫婦間をなんとかしようと「料理で愛は深まる」という叔母の
言葉を信じ、毎朝一生懸命に旦那にお弁当を作る。

しかし、そのお弁当は誤配送され見知らぬ相手に届いてしまう。
その相手とは早期退職を間近に控えた男性・サージャン。

妻を亡くしている彼は食堂でお弁当を頼んでいるが、いつになく美味しいことに驚く。
食堂の主人に、退職するのでお弁当の配達を中止して欲しいことと、今日のお弁当が
美味しかったと告げる。

従業員は「何か文句を言われたのか」と怯えていたけれど「カリフラワーの料理が気に入った
ようだ。明日もカリフラワーを入れよう」と主人に言われ安堵。


それにしても、なぜムンバイの人たちはお弁当を持って通勤しないのだろうか??と
思っておりましたら。
これまたWikipediaが解決してくれました。興味のある方はダッバーワーラ―で
検索してみてくださいませ。

ダッバーワーラーが回収してきたお弁当箱が空だったので喜ぶイラ。
きっと、旦那も美味しいと褒めてくれるだろう、と。

しかし、帰宅しても「風呂 メシ 寝る」という言葉すら惜しむような旦那からは
一言もお弁当についての話がでない。
お弁当の感想をイラが聞くと「カリフラワーが美味しかった」と。

自分の作ったお弁当にカリフラワーなんぞ入ってないことを知っているイラは、
お弁当が誤配達されたことを知るのでありました。

けれど、旦那には教えないのです。
上階に住む叔母に「自分の妻が作ったお弁当も分からない人に教えなくてもいい」的なことを
言われ、イラも言葉にこそ出さないけれど、そう思っている節が。

叔母さんとイラは窓越しに大声で会話をし、時にはザルに食材を入れてやりとりを
しております。
最後の最後まで姿を見せなかったけれど、料理上手でイラの愚痴や不満を
受け止めてくれる優しい叔母さんのようで。


イラの母親は長年病気の旦那(イラの父親)を看病し、医療費の工面に困っている様子。
長男が生きていれば頼れたのに、、、とイラに弱音をこぼす母。
長男(イラの弟)は試験に失敗し自らの命を絶ってしまったと。
周囲が「そんなことぐらいで」「心が弱いからだ」と言った批判をしたようだけれど
イラは「心が弱かったら、とても飛び降りることなど出来ない」と。

どうも自分の娘を連れて無理心中を図ろうとしたのか、それとも想像なのか。
娘を抱き、ビルの屋上から下を見るシーンがありました。

弟さんについて、またダメ旦那がデリカシーの無い発言をするんですよねぇ。
『マダム・イン・ニューヨーク』の旦那もなぁ。ぶつぶつ。


旦那ではない相手にお弁当が届いていることを知り、手紙を入れることにするイラ。
「もし今回はお弁当が正しく旦那に届いたらどうしよう」と思うものの、お弁当を残さず綺麗に
食べてくれた相手にお礼をしたい、という想いもあった模様。


かくして、旦那には毎日食堂からのカリフラワー入り弁当が届けられ
サージャンとイラのお弁当&簡単な手紙のやりとりが始まり・・・
自分に全く関心を示さない夫のことを書くイラ。
妻を亡くしたことを書くサージャン。


2人がやりとりをしている間にイラの夫が浮気をしてることが判明したり、イラの父親が
亡くなってしまったり

サージャンは退職の時期が近づき、後任のシャイクに手を焼きつつも、
なぜか面倒を見てしまったり、近所の女の子とささやかな関係の変化も。

「ブータンへ娘と行ってしまいたい」と書くイラに「僕と一緒に行かないか?」と
返事を書くサージャン。

いつしかサージャンが心の支えになっていることに気付いたイラは、顔を合わせて
話がしたいので明日の昼に会えないか、と。

面会当日、サージャンは入念に身だしなみを整え出勤。
お弁当の配達がなかったことから、本当に今日会いに来るんだな、とサージャンが
少し嬉しそうな表情を見せたような。


果たして、2人は会ってどんな会話をするのか?と思いきや・・・
翌日、空のお弁当箱がサージャンに届くシーンに。

どうやら、サージャンは当日お店に行ったもののイラの若さに気おくれがしてしまった、と。
身だしなみを自宅の洗面所で整えていた時、あることに気付いたのだ、と。

それは香り。

自分が子供の頃、祖父から感じた香りだったと。
自分は、いつの間に年を重ねてしまったのか。急になのか、それとも自分が
気付かなかっただけなのか。

この洗面所のシーンで、サージャンが鏡の埃をぬぐうのですが。
いかに奥さんを亡くしてから身だしなみに無頓着だったかが表れていたなぁ、と。

出社時のシャツは毎回パリっとしたのを着ているのですが、自宅でのジャージ姿は
確かに無頓着。
そして一人で夕飯を食べたり、ベランダでタバコを吸いつつ近所の家族が愉しげに
夕飯を食べている様子を思わず見つめてしまったりするシーンに、心が痛んだので
ありました。


一旦は早期退職をやめようかと思ったものの、結局は退職して引っ越しをしようと
決心するサージャン。

そんなことは知らないイラは、ダッバーワーラ―にお弁当の届け先が違ってることを告げ
お弁当の届け先を教えてほしい、と迫るのでありました。
そして思い切って娘を連れサージャンの職場へと足を運ぶのですが、彼は既に退職したあと。

しかも彼は引っ越した、と後任のシャイクから知らされガッカリするイラ。

ここでねー、シャイクが頑張るかと思いましたよ。
「ここが彼の引っ越し先です」と住所を教えてくれる、とか。
連れてってくれる、とか。

ぜーんぜん役に立たないのでありました。

自分の仕事のミスをサージャンが庇ってくれたおかげで首にならずに済んだのに、
「あなたが仕事をちゃんと引き継ぎしてくれないからだ」と突っかかり、揚句に
婚約者と住んでいる自宅へ来てくれと食い下がる。
仕事とは関係ないし!謝ってないし!!

呆れた奴だ、と言いつつもサージャンは彼の家へ行くという。
そして、自分は孤児で親戚がいないから是非サージャンに結婚式に出て欲しい、とか
サージャンが辞めることで自分が昇進するので、その祝いに義父がスクーターくれるから
早期退職を辞めるなら義父に言わないで欲しい、とか、会社の書類の上で野菜切ったりとか。

イラのお弁当を「食べていい」と言われて、一応遠慮するポーズとりつつも、必ず
食べちゃう、という。
なんでサージャンが、そこまで彼を赦してしまうかがちょっと謎というか。

孤児として、なんでも自分の力で切り開かざるをえなかった彼の境遇、身に付けた
たくましさ、そして憎めなさ、なのかしら。
憎めなさ、という点では少々エピソードが足りないような気も。。。
単なる我が儘な奴という風に私には見えてしまったので。。。


まぁ、彼の唯一の功績は「人は間違った電車でも正しい場所に着く」という言葉を
サージャンに伝えたことでしょうか??


いざ引っ越そうと決意し電車に乗るものの、そこで偶然乗り合わせた老人との会話から、
引っ越しを止めようと決意するサージャン。
自分が、まだ全てを諦めるには早すぎる、という想いだったのでしょうか。


サージャンとの連絡が取れなくなったイラは、ブータンへ娘と移住することを決意したことを
手紙を書くのですが、自分でも手紙を投函するのか手元に残そうか決めかねている様子。
なにしろ、サージャンに届くかも分からない訳で。。。


そしてラストは、いつもイラの元へお弁当を配送するダッバーワーラ―とサージャンが
一緒に電車に乗っているシーン。

私の好きな終わり方で良かったなぁ、と。


ここで2人が会う、というのも勿論ハッピーエンドでいいのですが。
ハッピーエンドを予感させつつ終わる、って美しいなぁ、と。

でもイラの出発までにサージャンが間に合わなかったら、、、という一抹の不安もないとは
言えないんですけど。きっとハッピーエンドだと勝手に信じているのでありました。


そして、映画の後にはインド料理屋さんで美味しくカレーを食べました。
映画にでてきたインド料理が、本当に美味しそうで。
イラからのお弁当がたのしみすぎて、仕事中にもかかわらずお弁当の香りをかいでしまう
サージャンと、それを驚愕の目で見る同僚というシーンがおかしかったなぁ。

あと、イラの手紙とお弁当をゆっくり愉しみたいのに、シャイクに邪魔されるんじゃないかと
警戒するサージャンとか。


『マダム・イン・ニューヨーク』といい、今後のインド映画が楽しみになるような作品を観られて
今年は良い年でした。。。(あと3か月あるけど)
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by yui_usakame | 2014-09-28 00:52 | CD・DVD・映画 | Comments(2)
Commented by Lift, weig at 2014-11-27 18:45 x
めぐり合わせのお弁当 観ました〜♪( ´▽`)

偶然見た夕方の地域の番組で上映のことを知り。そこの映画館では映写機のデジタル化のための募金をお願いしてますと聞いて。
これはもう めぐり合わせだー!!
と2週間前から有給を取ってワクワクしながら
となりのとなりの市の映画館に行きました。
かめうささんのブログですじはわかっていたものの、勘違いしていたことや実際に映像で観て「こういうことか〜、しみじみ。」
と100分あまりの時間、私は別世界にいました。
イラの気持ちになったり、サージャンの立場になったり、サージャンの後任の若い調子のいいおにいちゃんも何もない彼にはこうやって生きていくしかなかったのかもなぁとか。でも絶望せず一生懸命お義父さんやサージャンに自分の存在を認めてほしいともがいているところも今から変わって行けばいいネと声をかけたくなる感じでした。

…ってか教えてくださったのはかめうささんなのに…(笑)
すごくいっぱい書いてスミマセン(汗)
とっても嬉しかったんです伝えたかったんです

こんな特別な時間をありがとうございますo(^_^)o
またいい映画を紹介してください
Commented by yui_usakame at 2014-11-27 20:56
こんばんは。
観て良かった、と思っていただけて本当に本当に良かったです。
せっかく有給取っていただいたのに、「・・・」だったら申し訳ないな、と(^_^;)

感想を寄せていただき、ありがとうございました!
映画との橋渡しができたようで、私も嬉しいです。

そうですよね、後任のお兄ちゃんもサージャンに出会って、彼や親戚の人たちから色々学んでいくといいな、と私も思います。
Lift, weigさんの感想を読んで、また私も観たくなってきてしまいました~。若い頃に観てたら今とは違う感想だった気もするので、今観られて良かったなぁ、と。

先日、『天才スピヴェット』という映画を3Dで観たのですが、こちらの作品も個人的にはオススメなので、興味がありましたら~(笑)

のんびり、のびのび、書きたいときは沢山書く。書かないときは、何か月も書かない。そんな、ぐーたらブログです。
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